【第8話】建設現場で生き残るロボットを作るには?

機械

生き残れない建設現場のロボットたち

建設現場では、生産年齢人口の減少や技能労働者の高齢化に伴う将来的な就業者不足に対応するため、新規入職者の確保や作業効率の向上、働き方改革の実現が喫緊の課題となっている。

解決策として、施工ロボットやIoTを活用した施工支援ツールの開発を進めているが、なかなかロボットが建設現場で生き残るには、まだまだ課題が多いのが現状です。

施工ロボットが定着しない理由

私が日々現場管理をしていて感じている、施工ロボットが定着しない理由は下記のとおりです。

・人にしかできないしごとが多く、ロボットではできない。

・工場ラインと違い建設現場は日々変化するため、設置場所移動が多く、そのコストがかかる

・雨天や高温、多湿などの悪天候でうごかなくなる

・段差がおおくてうごけなかったり、設置できなかったりする

・正直、人がやったほういがはやい場合がおおい

私がいたゼネコンの先輩が寄稿したネット記事に以下のようなものがある

「溶接ロボットや天井貼りロボットなどを現場で活用しようとしていた歴史がある。だが、簡単な作業しかできないことに加え、数100キロもある機械を人力で運ばなければ使えなかったことから、次第に技術が活用されなくなったという苦い経験がある。「現場を工場のようにという構想で、スマートシステムを構築したが、2カ所の現場で使用したきり、使われなくなった」

結局、移動の手間を考えれば、人間がやったほうが早いし、安いということである。自動車などの生産ラインは一度作ってしまえばラインは変わらず機械の移動の手間など発生しないが建設現場は工程が進むにつれて日々変化するのでロボット自体もしごと場所を変えなくはならないという手間が発生する。生産ラインと建設現場は違うのである。

こうすればロボットは現場で活躍できるのではないか?

とはいっても、人出不足という課題に対してロボットの活用は不可欠であることには変わりない。生産ライン概念を取り入れたことがロボットのお蔵入りの原因であるので、建設現場の特性に合ったロボットを作り出せばいいのである。具体的にはまだわからないが以下のチェック項目をクリアできれば可能性はグッとあがるのではなかろうか?開発の参考にしてもらいたい

・一日に何回も同じことをする作業は建設現場には存在しないのでその発想は捨てる

(そういう作業はすでにメーカーの工場で終わったものが持ち込まれている)

・スピード感のないもの、かつノロノロ感のないもの

(スピード感がありすぎるとキケンなものとして立ち入り禁止措置が必要になる)

・人間の代わりというより、楽になるアイテム的なもの←ロボットといえない?

・軽い、小さい(移動の手間が発生しても楽で、危なくないもの)

・自動で動き回るものは昼間は、邪魔なので夜間などにしたほうがいい

・何かに取り付けるのでなく自立してるもの(人間の手を借りた移動がなくてよい)

※とにかく自動車工場ちがって、日々環境が変化する場所なのでその変化に対してコストのかからないモノにしたいですね

施工するロボットではなく現場の生産性に貢献する情報収集のロボットなら売れるのではないか?

 施工ロボットとしてロボット単体で売るのはやはり難しいと思います。よほどの軽量化して盛替えリスクを軽減しないと安全、コストの観点から採用はされないであろう。巡回して施工の進捗などを映像を得て、A Iが処理し、工程の進み具合のデータを自動で作るなど情報収集ツールとしてロボットは需要が上がるのではないかと思います。これからのI C Tソリューションはプラットフォームがあり、新しい技術で集めた情報をA Iが処理し、監督がその情報を工事を進める上で役立て、今までにない現場の高効率かを達成させる。このパターンになるのではないかと思います。

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