【第9話】高所作業車管理システムはなぜ普及しない?

機械

現場監督のお困りごとの筆頭格?

大規模の現場になると高所作業車の台数が非常に多くなり、規模によっては100台以上になることもあります。建機リース会社からのレンタルした高所作業車を現場の作業員さんに貸し出すのが一般的ですが、設備サブコンが直に現場に入れることもあり、現場の規模にもよりますがかなりの台数が現場にあることになります。この何十台もの高所作業車を効率よく作業員さんに貸出し、管理するのが若手監督の仕事ですが、これがなかなかうまくいかずず(特にカギがない時が多い)、悩みの種の筆頭格ですね。現状、この課題を管理するシステムは少なく、ホワイトボードや紙で作った予定表などで行っており、うまく言ってないのが現場です。これはどこの現場に行っても、悩まされる問題であり、私は現場監督になって28年ですがいまだに有効なシステムはあったことがありません。大手のゼネコンにいてもです。

高所作業車の管理は何が大変なのか?

朝の作業の始まりに職長さんから今日、利用可能な高所作業車を突然聞かれたり、予約した高所作業車の場所を電話で聞かれたり、カギがないとか、作業にジャマな高所作業車の移動など何かと時間を取られるのが現状です。また昼の職長ミーティングでの予約の調整などもホワイトボードに書きこむなど結構手間がかかってます。中でも職長さんのカギの返却忘れが一番手間を取られます。犯人捜しやジャマな高所作業車のために作業がストップしたり、正直なところ午前中は高所作業車管理で終わってしまうことも少なくありません。

ビーコンによる位置情報は難しい?

土木の現場と違いG P Sの使えない建築の現場では高所作業車の位置情報はビーコンに頼らざるを得ない状況です。このビーコンを設置が課題であり、このシステムの普及を阻害する要因なんですね。残念ながら。最初は鉄骨などの構造体や仮設足場なんかに取り付けますが建築の現場は仕上げが進むにつれて、このビーコンはずっと同じ場所にいるわけにはいかず、何回か工事の進み具合に合わせて盛替え(設置場所の移動)をします。盛り替えの手間がかかるのと、職人さんが工事のジャマになると勝手に外してしまい、ゴミに紛れて紛失するという事件?が発生します。ビーコンひとつ滅失すれば数万円の弁償が必要となるわけで、原価を管理する所長から見ると盛り替えの人件費とビーコンの修理代、弁償などの補償費でコスト面でのマイナスのリスクが高く、採用を見送られるのが現実です。

高所作業車管理のミソは位置情報システム

高所作業車の管理は以下の通り

  • 予約
  • 鍵の貸与
  • 位置情報
  • 稼働状況の把握
  • 搬入、搬出の段取り

これらの管理をスムーズにすることにより、若手監督の高所作業車管理にとられる時間、職長さんの高所作業車の確保、返却にとられる時間ともに削減できるのでこの課題を解決できるシステムがあれば現場への貢献度は大です。位置情報としてビーコンに頼らざるを得ない現状では、ビーコン設置、監理の困難さから採用を見送るケースが多いそうです。システム自体は問題なく、需要が大きく見込まれますが、ビーコンの管理に問題があり、ビーコン自体をカスタマイズするか、またはそれに代わる新しい位置情報の技術の登場が望まれます。みなさんの新しい技術でこの高所作業車の管理の問題からわれわれ現場監督を救っていただける日を願っております。

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