この記事を書いた理由
・建設DXの目的は「建設現場の生産性の向上」です。なぜ生産性の向上をなぜしなければならないのでしょうか?今、建設現場は二つの大きな課題に直面しています。
①これからも増え続ける仕事量に対して、人口減少により担い手が減っていく ②人手不足を解消するために、新しい人材を呼び込まなければならない
この二つの大きな課題に対して「働き方改革」という大きな社会変化が追い討ちになって、さまざまな取り組みが行われています。
その取り組みの一つが「建設DX」であり、圧倒的に進化した新しい技術を建設現場を活用して
「もっと楽に、短い時間で、より少ない人数」で今まで以上の仕事量をこなしていこうさまざまなチャレンジが大手ゼネコン中心に取りくんでますが、具体的な成果が出ないまま2024年2月の法適用まで2年を切ってしまいました。
大きな悩み事を抱えるのを解決シスための「ICTツールの実装」に対して供給側のプレゼン内容が、この課題に対しての「貢献」「解決策」となっているでしょうか?
実装がなかなかされない理由の原点はここにあります。
ここで今回は、最低限押さえてもらいたい「建設現場の働き方改革」について記事にしてみました。
この記事を読むメリット
・あなたのシステムの特徴と働き方改革への効果を結びつけることにより、ゼネコン担当者もしくは所長の心に突き刺さるプレゼンができるようになり、実装への可能性が広がります。
この記事を読んでほしいひと
昨日、ゼネコンの所長さんにプレゼンしたんだけど反応がいまいちだったなあ・・・
システムの良さは分かってもらえたと思うんだけど、何が足りなかったんかな?
建設DX実現のために、ICTを活用した新しいシステムやツールが多くプレゼンされてます。
しかし、なぜ建設DXをしなければならないのでしょうか?
それは、「働き方改革」すなわち「36協定の法律化」に合わせるため「時間外労働時間」の削減したいからです。
あなたが売りたいシステムの特徴と働き方改革への効果の結びつきをアピールできないと今は実装に近づけないことを理解しましょう。
意外と多い?プレゼンしてみたが「反応がいまいちだった・・・」と悩むエンジニアさん
こんなことで悩んでませんか?
・ゼネコン担当者や所長にプレゼンしてみたけど、「反応が薄い」「あれから返事がない」
・来週、プレゼンを控えているが、この資料のままでいいのか?
ポイント→あなたの悩みの本質はこれです❗️
・あなたがしていることは、プレゼンテーションとエクスプラネーション(説明)のどちらでしょうか?システムの特徴ばかり一方的に説明(explanation)になれば、相手は「自分のこと=現場」とは思わず「ふ〜ん、こんなのが出たのか…」で終わります。
しかし、建設現場のお困りごと=働き方改革と結びつけることにより、「これを使ったら、俺の現場良くなるかも…」という思考が彼らの頭の中に描かれます。
プレゼンテーションとは相手の頭の中に「映像」として「変化の後の良くなった状態」を描かせることです。
現場の所長の頭の中に「映像」として、あなたのシステムを使った後の「現場の変化」を描かせるのに「働き方改革」は必須の要件だということを、認識しましょう。
建設業の働き方改革のツボがわかる3つのポイント
建設現場の働き方改革のポイントを3つにまとめてみました!
ポイント1:2024年4月からの法案適用で何が変わるのか?
【チェック1】:まず取り組まなければならないのが「時間外労働」の削減
・他産業は2019年から大手企業、2020年からは中小企業へと「働き方改革関連法」は適用されました。
東京オリンピックなどで繁忙期出会った建設事業は5年の猶予を与えられていました。2024年4月からの法適用になります。
建設事業で時間外労働時間が特に多い「施工管理」すなわち「現場監督」の時間外労働時間の削減がゼネコンの喫緊の課題になりました。
【チェック2】:36協定の法律化で「時間外労働時間」に規制がかかる
・今まで法的に規制がなく事実上「青天井」だった時間外労働時間が36協定の「法律に格上げ」により規制がかかります。
違反すれば罰則の対象になります。今現在、具体的な罰則適用の事例は聞こえてきませんが、コロナ禍の落ち着きと共に規制は強くなると予測され、特に公共工事のある建設業界では罰則の適用が他産業より早いかもしれません。
【チェック3】:所長に対する「人事考課」が変わった
・そのような社会変化の中、「良い建物を早く、安く」が「良い所長」の評価でした。その評価は部下である監督の「時間外労働時間」や一部のモーレツ社員による「属人化」によるものです。
そのような過酷な労働環境では「人手不足」「精神疾患による離脱」などの解消にはなりません。またパワハラなどのハラスメントがなかったかどうかも一つの基準。
「良い建物を早く、安く」生産できる現場運営と共に、部下である監督やスタッフらが「働きやすかった」と思われる現場運営ができたかどうかが「良い所長」
ステップ1のまとめ
「働き方改革は今、建設現場で起きている「大きな社会変化」であるということを認識しましょう。
建設DXの実現、すなわちICTを活用した生産性の向上の目的は「働き方改革の成功」です。
あなたのシステムが「働き方改革にどのように貢献するのか?」という視点であなたのプレゼンを聞いていると思ってください。
ポイント2:人口減少と建設業界
【チェック4】:これからも好調が続く建設業界
・建設経済研究所「2030年」までのデータによれば、今後の建設業界における仕事量は緩やかに右肩上がりになる傾向と書いてあります。
この状態で「労働時間削減」が求められるということは今までと同じ働き方は通用しなくなったということです。
一部のモーレツ社員による長時間労働で現場の生産性を保つ時代は終わり、新しい働き方の模索が求められているのが働き方改革の本質です。
【チェック5】:人手不足脱却への挑戦
・「なぜ働き方改革」なのか。やっぱり人口が減る。ますます人手不足がひどくなって仕事が辛くなり、やめてしまう人が増えるのではないかという暗いイメージがついてしまえば、若手はさらに建設業界に近寄らなくなります。
人が減るからこそ新しくやってきた人にもチャンスがある。今働いている人の給料が上がる。そういう業界像を社会に示し、将来建設業は大丈夫だぞ、人口が減っても大丈夫だぞという「前向きな楽観」を持ち、人が減る時代を企業も個人も生きていかなければならないと考える必要があります。
そのためにもどんなICTツールを取り入れれば「時短」「省人化」になるのかを人手不足解消になるのかを模索しています。
【チェック6】:事業が継続できるかの「生き残り改革」
・働き方改革は会社にとっては、人手不足脱却への改革かもしれませんが建設業界で働く経営者にとっては事業を継続させれるかどうかの「生き残り改革」ってことであることも忘れてはなりません。
この人口減少時代、「人手不足」ってものにこれからずっと付き合っていかなければならない建設業界。これを暗い時代だって捉えることは簡単ですが、むしろこの大きな社会変化を逆手にとって、チャンスに変えるんだというという気概を持った経営者が建設業界に少しずつ増えてきました。
チャンスに変えるには今までの働き方を変え、新しい現場の進め方で「もっと楽に儲ける」欲求がそれぞれ経営者の心に芽生えてます。そのためにも「新しい働き方」=「ICTを活用した現場運営」に対する需要がこれから増えていくでしょう。
ステップ2のまとめ
一部のモーレツ社員の長時間労働で現場の生産性を保つ時代は、「働き方への考え方の多様性」のより終焉を迎えつつあります。そのような中、「決められた時間内に成果を出せる仕組み」を作るスキルが建設現場を運営する所長には必要になりました。あなたのシステムが「そのスキルの一助になるのか?」を所長は見てるのです。
ステップ3:新3Kを実現して人が集まる業界へ
【チェック7】:現場監督にもワークライフバランスを取り入れダイバーシティ化へ
・建設現場は従事者の高齢化が進行し、若年入職者が減少するという構造的な問題に直面しており、技術的に担い手を育成・確保が課題になっています。
そのために今まで当たり前だった男性比率、長時間労働、休日出勤などを他産業よりも少なくして誰もが働きやすい職場環境に変わる必要があります。平日の夜、週末など自分の時間を生かす「ワークライフバランス」も現場に浸透しつつあります。
また女性、外国人、未経験者などでも成果が出やすい仕組みの模索もされるようになりました。個人の経験や技量に頼る現場運営ではなく、クラウドやデータなどを積極的に活用し、誰でも一定の成果が出せる仕組み作りにICTの新しい技術への期待が高まってます。
【チェック8】:旧3Kからの脱却
・旧3Kとは「キツイ、汚い、危険」の頭のKを取ったものです。朝早い、寒い、暑い、土曜日・祝日は出勤当たり前。先輩監督や親方には絶対服従など、いまだに昭和な慣習が強く残る職場に今の若い人が働きたいと思うわけがありません。
キツイ、汚いは雨風、土を扱う仕事柄いくらかは残るのは致し方がありませんが、その分「給料がいい」「休暇が多い」などの日々のワークライフバランスが保てることや将来に希望が持てる職場にこれから人は集まるのではないでしょうか?
【チェック9】:目標は「新3Kの実現」
・人が集まるまたは離職の少ない職場にするためには、ワークライフバランスの考え方や圧倒的に進化したICTを使った今までにない働き方を取り入れ「もっと楽な現場の働き方」を実現し、建設現場を「旧3K」から「新3K(給料がいい、休暇が多い、希望のある)職場」に変える必要があります。
建設現場で働きたい人を増やすためには新3Kを定着させ、「誰かと比べて羨ましく思える」のもポイントになります。〇〇建設や▲▲工務店に働いた方がいいというのではなく「同級生より給料がいい」「隣のパパより休みが多い」と家族から思われるなど比較対象が変わってきます。
ステップ3のまとめ
これからも続く人手不足を解消するには、今働いている人がもっと働きやすい職場環境に変え、新しい人が集まる産業に転換する必要があります。
そうしなければ会社の経営が維持できないという危機感がどこのゼネコンも持っているということです。
その危機感の解消の手段として「建設DX」や「i-construction」の一環として、あなたのシステムを採用するというロジックを頭に入れてプレゼンのストーリーを作りましょう。
まとめ
「働き方改革」は今まさに、建設業界に吹き荒れている大きな社会変化です。建設DXという大義名分でICTツールを積極的に採用して生産性を上げようという動きの本質は、ここにあります。
働き方改革が「根っこ」であり、建設DXが「幹」、ICTツールは手段すなわち、「枝葉」ということになります。「根っこ」と「幹」をかたらずに「枝葉」ばかりを語るプレゼンが有効かどうかはいうまでもありません。
残り2年を切った法案適用までの残り時間で「時間外労働時間」と「週休二日の定着」に向かっていろんな取り組みが行われることでしょう。逆に言えばICTツールの採用、実装はこの残り2年が勝負になるとも言えます。
「働き方改革への貢献」をアピールを前面に押し出すプレゼン資料作りを強くお勧めします。
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