【第15話】:現場かんとくが直伝。建設現場の実装を目指すICTツール開発講座④なぜあなたのプレゼンは「ふ〜ん」で終わってしまうのか?

建設DXツール開発講座
この記事を書いた理由

「うまくプレゼンしたと思った割には、反応が薄い。なかなか実装までつながらない」と悩むエンジニアさんは少なくありません。あなたのプレゼンの聞き手である「現場かんとく目線」で「その原因は何か?」をきちんと説明できるようになりたいと思い、今回記事にしました。

「決裁権者である所長さん」が何を考えながらあなたのプレゼンを見ているのか?

また「あなたのプレゼンに足りないものは何か?」がわかる内容になってます。

この記事を読むメリット

どうカイゼンすれば「実装」に近づくのか、その具体的なスキルが学べます。

この記事を読んでほしいひと

・すでにプレゼンをしたが、相手の反応にいまいち手応えを感じられない人

・これからゼネコンへプレゼンの予定がある人

・これからゼネコンへプレゼンしたい人

クライアントAさん
クライアントAさん

昨日、ゼネコンの所長さんにプレゼンしたんだけど反応がいまいちだったなあ・・・

システムの良さは分かってもらえたと思うんだけど

HM社長
HM社長

良さがわかるのと、実際に現場で使ってみたいと思うのは別です。今回のブログ講座では、「良さは伝わったが、反応がイマイチ」の原因と今後の対策について深掘りしてみましょう

意外と多い?プレゼンしてみたが「反応がいまいちだった・・・」と悩むエンジニアさん

クライアントAさん
クライアントAさん

ITエンジニア仲間も同じこと言ってたなあ

共通する原因があるのかなあ?

HM社長
HM社長

アナログな時代を20年以上過ごしてきた50代の所長さんとネットやiPhone、iPadが当たり前の今の世代の方の意見が通じないのは当たり前とまず認識しましょう。

今が超がつくネットワーク社会であることや今後のICTによる仕事の変化が来るとは理解してますが、それは「定年した後の話」。すなわち5年後くらいの話と思っているのが現実です。

そんな未来の話より、今は2年後の働き方改革関連法適用による残業時間削減」と「週休二日の実現」をどう乗り越えるかで頭がいっぱいなのです。

こんなことで悩んでませんか?

・プレゼンしたけどその後、ゼネコン担当者から連絡がない😭

・良さは分かってもらえたが、実装までの道筋が見えない😭

ポイント→あなたの悩みの本質はこれです❗️

・ビジネスの基本は「悩み事の解決」です。

所長さんの悩みは「残業削減」と「週休二日取得」をしながら今より生産性を上げる=仕事量の消化を上げるにはどうしたらいいのかということ。

つまり自分の現場の「働き方改革」の成功です。

i-constructionや建設DX導入の本質はここなんですね!あなたの現場の「働き方改革」を成功させるためには、アナログからデジタル、データ化に移行する必要がある。そのためにこのシステムは〇〇な効果があります、というロジック(納得感)が必要になります

        1. この記事を書いた理由
        2. この記事を読むメリット
        3. この記事を読んでほしいひと
      1. 意外と多い?プレゼンしてみたが「反応がいまいちだった・・・」と悩むエンジニアさん
        1. こんなことで悩んでませんか?
        2. ポイント→あなたの悩みの本質はこれです❗️
  1. プレゼンの課題とカイゼンポイントがわかる3つのステップ
        1. 一度、自分のプレゼンを振り返ってみましょう!
    1. ステップ1:自分のプレゼンを振り返ってみましょう!
        1. 【チェック1】:システムの特徴が建設現場の課題解決につながってますか?
        2. 【チェック2】:建設現場で馴染みのない「カタカナ言葉」であふれていませんか?
        3. 【チェック3】:ある程度の基礎知識を持っていますか?
      1. ステップ1のまとめ
    2. ステップ2:アナタのシステムの採用を決める決裁権者を知りましょう!
        1. 【チェック4】:アナタのシステムの採用を決めるのはICT推進部の担当者ではない!
        2. 【チェック5】:所長が抱える悩みは何か共感しましょう!
        3. 【チェック6】:働き方改革への効果を盛り込んで、一気にラポール構築を!
      1. ステップ2のまとめ
    3. ステップ3:あなたのシステムが現場にどんな効果をもたらすか整理しましょう
        1. 【チェック7】:ペルソナ設定は重要です!
        2. 【チェック8】:具体的な仕事に絞り、プレゼンにリアリティを出しましょう!
        3. 【チェック9】:監督仕事をシンプルに考えれば…
      1. ステップ3のまとめ
  2. まとめ
        1. ◆困った時は「現場かんとくによるスポットコンサル」をご利用ください!

プレゼンの課題とカイゼンポイントがわかる3つのステップ

一度、自分のプレゼンを振り返ってみましょう!
HM社長
HM社長

「ふ〜ん」で終わってしまったあなたプレゼン。どのようにカイゼンすれば実装に近づくのか?

具体的な方法を3つステップにまとめてみました。自分のプレゼンに当てはめてみましょう。

ステップ1:自分のプレゼンを振り返ってみましょう!

【チェック1】:システムの特徴が建設現場の課題解決につながってますか?

・建設業界は2024年4月に適用される「働き方改革関連法」の中の一つである「36協定」の法律格上げの対応で大変な状況です。

具体的には「時間外労働時間を年720時間以内にする」「週休二日の取得率の向上」の二つがあります。この二つの課題を数字として抑える必要があり、これが今の「建設業界」の課題です。

建設DXにおけるICTツールの積極的採用はこの「課題解決」のためにするのです。システムの特徴のアピールは必要ですが、じゃあそれがどのようにして「課題解決」になるのかが重要です。

【チェック2】:建設現場で馴染みのない「カタカナ言葉」であふれていませんか?

・皆さんにとっては馴染みのある「カタカナ言葉」は建設現場ではほとんど聞かれません。何百年の歴史と技術の伝承で成り立つ業界であることを意識、リスペクトしましょう。プレゼン資料にある「カタカナ」が建設現場ではどのような「言い回し」なのか、変換してみるのも有効です。

例えば

進捗=進み具合

成果=歩掛り(歩掛り)

人数=人工(にんく)

などがあります。

【チェック3】:ある程度の基礎知識を持っていますか?

・現場監督の気質の特徴として「プライド意識が高い」があげられます。

高い専門性の技術と知識の裏付けで日々仕事をしているのと、建設業界以外の人との関わりが日々ないので、比較的閉鎖的「村社会」的な性格も併せて持ちます。

そのためか全く建設業界の知識がない人が建設現場のことを語るのを面白く考えない、その人自身を軽く考えてしまう傾向があるということを意識しましょう。

「現場を知らない奴が、何言ってやがるのか…」

そう思われているのは事実ですが、逆にある程度の知識を持っている人には

「この人わかってんなあ…」

って親近感を持ちやすいとも言えます。ある程度の技術的な知識、言い回しなども頭に入れることもポイントになります。

ステップ1のまとめ

クライアントAさん
クライアントAさん

3つとも、当てはまるなあ。自分のシステムの良さばかりアピールして

肝心な「現場の課題解決」への結びつきがなかったのがわかったなあ。

HM社長
HM社長

ビジネスの基本は「お悩み事の解消」すなわち課題の解決です。アナタのシステムの特徴のアピールとともに、「なぜ課題の解決になるのか?」もアピールしましょう。またある程度の現場知識を事前に頭に入れ、プレゼンにリアリティーを入れることもお忘れなく。

ステップ2:アナタのシステムの採用を決める決裁権者を知りましょう!

HM社長
HM社長

では、アナタのシステムの採用=実装を決めるのは誰でしょうか?これは意外と盲点なのでしっかりとおさえておいてください。

【チェック4】:アナタのシステムの採用を決めるのはICT推進部の担当者ではない!

・みなさんはゼネコンのどの部署の方と打ち合わせしたり、POCをしてますか?

おそらく、「ICT推進室」という部署の方と思います。生産向上推進室とか技術部とかいろんな名前がありますが、全社的にICT開発を統括している部署です。

では、彼らがあなたのシステムの採用を決める権限があるのでしょうか?

実は彼らはICTツールの開発や導入、情報集めをしているに過ぎなく、決裁権者ではありません。

しかも、研究者ではあっても「現場監督未経験」の人がほとんどです。

では誰が決裁権者か?

決裁権者は現場の責任者=所長です。

ICT推進部の担当者は所長へICTツールの特性やベネフィット、製品情報を伝えるだけで、実際に現場で使うかどうかは所長の考え次第だということをまず認識しましょう。

情報を導入されても、現場で採用されなければビジネスになりません。実装には『いかにして所長にアピールできるか?』がポイントになります。

【チェック5】:所長が抱える悩みは何か共感しましょう!

・所長の悩みは「部下の時間外労働」の削減と「週休二日取得の定着」です。以前の評価は「いい建物を安く・早く・無事故で完成させる」でした。

しかし、今は部下全員が労働時間を目標値に抑えることと週休二日をきちんと取っていたかが、合わせて人事から評価されます。

また以前のように「俺の方針に従え」とか「叱ったりできない」、すなわち「ハラスメント防止」も合わせて求められます。

プライベートまで含めた「多様性」が尊重される中、短い時間でいかに「今まで以上に効率化された現場運営ができるか」という今までにない「新しいマネジメントスキル」への移行が会社から求められているのです。

【チェック6】:働き方改革への効果を盛り込んで、一気にラポール構築を!

・なぜ所長の「人事考課」が大きく変化したのでしょうか?それは2024年4月から建設事業に適用される「36協定」の法律化です。すなわち「働き方改革関連法」ですね。一般企業は2019年4月(中小企業は2020年)からすでに実施されてますが、建設業は東京五輪の影響から5年猶予されてました。

しかしすでに法適用まで2年を切りました。これからの2年はどのゼネコンも法適用にギアを上げてくることでしょう。具体的には年休5日取得、残業時間年720時間以内が目標数値です。建設DXすなわちITを使った業務の効率化の目的はこの目標数値内に抑えるということ。また他産業並みの労働時間、賃金にすることでの新しい人材を呼び込んで人手不足解消するといった側面もあります。

以上のことからICTツールに求められる効果として

「時短」「省人化」になります。

また土曜日、祝日は現場は動いてますので、休日出勤した監督は平日に代休を取らされますので仕事の「引き継ぎ」や「リモート」など現場にいながら意思疎通が簡易にできる新しい通信システムも効果があります。

ステップ2のまとめ

クライアントAさん
クライアントAさん

システムの特性と監督の「時短」「省人化」の効果がプレゼンには必要ということなんだ!この二つが結びつけば所長の悩み事解決になり、実装へとグッと近づきますね。

HM社長
HM社長

建設DXの目的は「働き方改革」を成功させ、魅力ある仕事場にし、新たな人材を集めるということ。すなわち「慢性的な人手不足の解消」です。具体的な成果は「時短」「省人化」ですから、あなたのシステムの特徴との結びつきをしっかりアピールしましょう。

ステップ3:あなたのシステムが現場にどんな効果をもたらすか整理しましょう

HM社長
HM社長

あなたのシステムが現場でどんな効果をもたらすかを具体化してみましょう。

【チェック7】:ペルソナ設定は重要です!

・建設現場にはたくさんの人が働いてます。その中でも、現場かんとくがゼネコンの社員。すなわち「所長の部下」です。職人さんと呼ばれる「作業員」ではありません。所長のお悩みは「部下である自分の現場の監督」の時間外労働時間の削減と週休二日の取得の定着です。まずは「現場監督」をペルソナ設定にすることをお勧めします。

現場監督にも二つのタイプがいます。

「現業(げんぎょう)」・・・主に現場にいて、直接現場の管理をする監督です。若手はほとんど一日中、現場を走り回り直接職長や作業員の相手をします。ベテランは午前中に現場に滞在し、工事の進捗や若手では対応できない難易度の高い仕事をこなし、午後は打ち合わせや計画、手配、工程表の作成、検査の段取りなどで現場事務所で仕事することが多いです。

「工務(こうむ)」・・・主に手配をする仕事です。納期のかかる製作物の打ち合わせ、図面チェックを主に行います。朝礼後の1時間ほど現場にいるだけで、その後はほとんど現場事務所で仕事をしてます。仕事のない緯度が高いため、若手の監督は少なく、30代後半から40代の社員が主に担当します。

「上長(じょうちょう)」・・・所長、副所長、工事長などと言われる現場の上層部の方々です。現場を統括(全体をマネジメント)する立場です。

現場監督のペルソナ設定は下記のブログに詳しく書いてますので、ぜひご覧になってください

【チェック8】:具体的な仕事に絞り、プレゼンにリアリティを出しましょう!

・時短、省人化のネックになってる現場ワークをピックアップしてみましょう。QCDSEそれぞれから抽出するのが有効です。QCDSEとは、監督仕事のカテゴリーでそれぞれ品質、原価、工程、安全、環境のことです。この5つの要素のバランスをとりながら、現場を進めていきます。

・品質(Quality):配筋検査、コンクリート打設計画、材料受け入れ検査、工場製品検査

・原価(Cost):既払い・未払い管理、実効予算書作成、見積徴収、査定、値合(ねご)、請求書チェック

・工程(Day):工程表作成、進捗確認、工程遅延対策、人区手配、作業間調整打ち合わせ

・安全(Safety):安全パトロール、新規入場教育、現場巡回、外部者パトロール対応

・環境(Environment):騒音測定、濁水(PH)管理、粉塵抑制、アスベスト付着物対応、CO2管理

HM社長
HM社長

現場監督の仕事は、このQCDSEのバランスをとりながら現場を進めることです。自分の技術、サービスがQCDSEのどの仕事の「時短」「省人化」に効果があるのか検証してみましょう。

【チェック9】:監督仕事をシンプルに考えれば…

・現場かんとくの仕事の「行為」として表現すれば、下の3つになります。

「数える」 「測る」 「照らし合わせる」

具体的には、設計図と同じ本数が入っているか数えたり、設計図と同じ寸法になってるかスケールで測ったり、設計図に書いているものと同じものかどうか照らし合わせたりすることです。

このような行為は多くの手間と時間と移動を伴います。

この3つの行為を監督に代わって代行してくれるようになれば、「時短」「省人化」に大きな効果を発揮できます。自分の技術がこの3つの行為に効果をもたらすことができるか検証してみましょう。

詳しくは、下記のブログを参照ください。

ステップ3のまとめ

HM社長
HM社長

「ふ〜ん」で終わってしまう原因は、所長の頭の中で「自分の現場」と結びつかないことです。つまり、あなたのシステムの良さが所長の現場の「課題解決」に結びつかないということです。

ですから「こんな新しいシステムがこれからできるんだあ〜。ふ〜ん…」で終わり、それからの具体的なアクションヘとつながらないのです。

まとめ

・今回は、「ふ〜ん」で終わってしまうプレゼンの原因と対策について聞き手の「所長目線」で書かせていただきました。システムの特徴も必要ですが、具体的に現場のどの仕事の代わりになり、どれくらい「時短」「省人化」に効果があり、だから「働き方改革」への貢献になるのですというロジックをストーリとして校正してから資料を作ってみましょう。

あなたのシステムと現場の課題解決を結びつけれれば、所長の中でその効果が頭の中で描かれ、現場実装への道が開かれます。

システムの特性と建設現場が抱える課題とリンクすれば、システムの現場実装への道は大きく開かれます。システムの効果の説明の前に、課題の共有→所長とのラポール構築→システムの特徴→なぜ課題が解決するのかのロジックを構成し、プレゼン資料に盛り込んでみましょう。

HM社長
HM社長

「働き方改革」という大きな社会変化の中で、所長たちが抱えている悩みを共感しラポールを作ることに全力を注ぎましょう。

ラポールができてしまえば、システムの効果と現場の課題とのリンクさせ、具体的な仕事にフォーカスし、プレゼンに建設現場の臨場感を持たせます。

そうすることによって、実装後の効果が所長の頭の中で具体的に「映像化」され、

「よし、つかてみよう!」という気持ちにさせるのです。

このストーリー性がプレゼンには非常に有効ですので、是非お試しください。

◆困った時は「現場かんとくによるスポットコンサル」をご利用ください!

ゼネコンへのプレゼンを控えている人、これからプレゼンをする人、何から始めて良いかわからない方はぜひ、「現役かんとくによるスポットコンサル」をご利用ください。

あなたのプレゼンの課題を明らかにし、盛り込むべき内容、カイゼン、レベルアップのお手伝いをさせていただきます。

申し込みは、下記ホームページから

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HM社長
HM社長

「お試し60分無料コンサル」を実施してます。

まずはあなたのシステムの話を聞かせてください。

「現場監督目線」でお話しさせていただきます。

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