この記事を読むメリット
現場監督が毎日どんな仕事をしてるのか知っていただくのが目的。
基本決まったスケジュールで仕事をしているので1日の時系列に沿って仕事の内容を解説。
それぞれ仕事がどんな性質なのか理解できます。また自分が作ろうとしているシステムやサービスがどのしごとにつながるかのわかるきっかけになります。
この記事を読んで欲しいひと
- 建設DX関連の企画をしているひと
- ICTツールをつくるエンジニアさん
前回の記事でペルソナ設定の大事さはわかったけど、現場監督がどんな仕事をしてるのかもっと知りたいなあ。そうすればペルソナ設定の深掘りになると思うんだけど・・・・
おっしゃる通りです。ペルソナ設定で人をしぼるのも大事。しかし、目的は課題の解決であり、課題はしごとの中にあります。しごと内容をもっと知ることでペルソナ設定の深掘りができます。
前提
建設現場ではいろんな方が働いていらっしゃいますが、このブログでは現場監督のしごとにスポットを当てて書いてます。今回は特に現業(げんぎょう)メインの現場監督について記事を書きました。
参考にしてもらいたい記事
現業(げんぎょう)というキーワードの詳しい説明は
【第11話】現場監督のどんな動きを減らせば時短っできるのか をご覧ください
ステップ1:現場監督の1日のスケジュールを見てみよう
現場の姿は日々変わっていきますが、ほぼ決まったスケジュールどおり仕事は進められます。
ひとつひとつ読まなくてもいいですので、さっと目を通す程度でOKです。
スケジュール
6:45〜7:15 出勤:
主なしごと
- 朝礼看板への掲示、記入
- 指示書の作成
- 1日の段取りの確認
- 日誌の作成
7:30〜 準備
主なしごと
- 朝礼準備
- 担当工事の作業員との下打ち合わせ
- 担当工事エリアの確認
- 工事の材料を積んだトラックの誘導
8:00〜 朝礼、KY活動
主な仕事
- ラジオ体操
- 朝礼の進行、参加、注意事項の周知
- 作業員の数の確認
- KY(危険予知)活動
8:30〜
主な仕事
- 作業員への作業の指示
- 危険な作業や不備な設備がないか確認
- 作業員からの質問に答えたり、クレームの処理
- 材料の検収(発注したとおりのものか確認)
10:00〜
主な作業
- 上司からの指摘された項目の是正報告
- わからないことの相談や調べものをする
- 品質などの検査
- 安全かどうかの確認
- 問題ないかどうかの計測
11:00〜
主なしごと
- 明日の作業、配置、搬入車両の予定を全体図に記入
- 明日の作業日誌の作成
- 明日の仕事が予定どおり行われるかの問い合わせ
- 安全パトロール
11:30〜
主なしごと
- 工程ミーティング(昼会とか職長ミーティングとも言う)
12:00〜
- ランチ
- 一級建築士、一級施工管理技士などの資格取得の勉強
- 読書
- 昼寝
13:00〜
主なしごと
- 午前中の仕事の残りなど
- 一斉清掃(毎週金曜日)
14:00〜
主なしごと
- 業者打ち合わせ(これから行うの工事)
- 現場内スタッフとの打ち合わせ
15:00〜
主なしごと
- 残りの現場仕事
- 今日の作業の確認
- 明日の作業の段取り
16:30〜
主なしごと
- 現場の片付け状況の確認
- 不安全な設備がないか点検
17:30〜
主なしごと
- 現場の消灯、施錠
- 作業証明伝票のサイン
18:00〜
主なしごと
- 安全書類、各種伝票のまとめ、回覧
- 明日の作業指示書の作成
- 図面の作図
- 現場内スタッフとの打ち合わせ
- 必要書類の作成
こんだけ忙しいと、結局何時くらいに帰るのかな?監督さんは……….
今は19:00にパソコンが強制的にオフになります。
それが帰宅の目安なんですが、延長申請を上司にして承認されれば残業延長になります。
個人によってバラバラですが、20:30や21:00以降も残って仕事してる監督さんは少数ではないです。
ステップ2:スケジュールから見えること
かなりハードなスケジュールですね…..
こんな忙しい毎日なんですか?
企業スタイルや現場によって変わるかもしれませんが、だいたいこんなスケジュールです。私の29年間は。では、このスケジュールから何が見えるのかまとめてみました。
現業の現場監督のしごとの特徴
①17:00までは現場に出たきり事務所に帰れない現業監督
朝礼後から作業員が現場を出るまで、打ち合わせ以外ほとんど現場にいるのがわかると思います。
②どうすれば残業が減るのか?週休2日が取れるのか?
残業が減らない原因の一つは、書類作成などのデスクワークの時間が定時に確保できないと言うことです。残業を減らすには、夜にしかできなかったデスクワークの時間をなるべく定時内に確保する必要があるのです。
③カギは「現場仕事にかかる時間や人数を少なくできるか」
でも、現場での仕事は会社から決められた品質、コスト、工程、安全、環境のクオリティを下げられない実情から、やらないわけにはいかないのです。ですから今までのしごとのクオリティーを下げずに仕事にかかる時間や人数を少なくする必要があります。製造業はより多くのモノを作るのが生産性向上ですが、建設業では一定の量の仕事を少ない時間で少ない人数でこなすのがポイント。他産業とは、多少「生産性向上」の概念が異なるのではないかと思います。
ステップ3:どの業務を効率化して、効果や成果を出せるのか?
では今までのしごとのスピードを上げたり、より少ない人数でできるような新しいツールをICTでできればいいと言うことですね。
そうです。現場での仕事を早く終わらせたり、現場に出なくてはならない人数を減らすことができるかが求められる成果です。ここはしっかり押さえていただきたいですね。
昼間の仕事をおさらいしてみよう
主にこんな感じです。
- 検査・・・・数える、寸法を測る
- 確認・・・・人の行動を監視する。あるかないかを判断する。落ちるのか落ちないのか判断する。
- 時間・・・・早いのか、遅いのか
- 移動・・・・人に会いに行く。人に来てもらう。事務所と現場の往復。打ち合わせに外に出かける
- 整理する・・モノを整然と並べる。移動させる。ファイリング
どの仕事であなたの技術が活かせるのか?
数える、測る、判断する、予測する、フィードバックする、移動する、並べる、ファイリングなど言葉をシンプルにすれば、他の産業でも行っていることだと思います。例えば
- スーパーの棚卸し
- 自動車の自動運転
- GPSによる位置情報
- 映像の撮影、記録
- 移設、移動の手段など
- モニターでの遠隔操作や打ち合わせ
◆みなさんが当たり前に使ってたり、最近使われ始めた新しいシステムも意外と建設現場でバズる可能性はあったりしますね。
少しでも可能性を感じていられるのなら
「無料スポットコンサルサービス」でお聞かせください。
期待される新しい技術
具体的には、どんな技術が期待されるのかなあ
期待される技術のキーワードをリストアップしてみました。
- ドローン
- レーザー
- MR
- スキャナー
- AI
- 自動運転
- 支援アプリ
- ロボット
- プラットフォーム
- 5G
- クラウドソーシング
時間がない建設業界
なぜ建設現場は建設DXやi -constructionなど盛んに導入が望まれているのか?
喫緊の課題では「働き方改革関連法案」の建設業への適用が2024年4月適用であり、慢性的な人手不足の解消をしなければこれからの仕事量をこなせれないという実情があります。
建設業界でモノ・サービスを売るには今しかないと言っても過言ではありません。
ぜひみなさんの新しい技術やサービス、システムを我々現場監督が使う日を楽しみにしてます。
最後に、現場監督のつぶやき
最近メディアでよくみられる新しいサービス。我々監督から見ると「?」って思うところが多いです。正直なところ。
めでたく開発が終わったら終わりではありません。エンドユーザーは現場で働く人たちです。彼らの業務に落とし込んでいかなければ、意味がないと思います。
例えば、ゼネコン担当者が生き込んでも、我々監督がめんどくさがったり、効果を疑ったりしてそっぽを向くのが今までの話。
大きな現場で試験的に使われることが多いですが、実は逆だと思います。
まずは試験的に小さい現場で実証してみて、効果を実感してもらいながら、ボトムアップしていくのが効率高いと思います。
またいつか、そのところをブログで深掘りしたいと思いますので期待してください。 HM社長